【そもそも解説】サル痘 各国で相次ぐ報告、いま何が起きているのか

2023-02-17
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米田悠一郎 後藤一也2022年6月1日 14時00分(2023年2月16日 9時25分更新)

写真・図版サル痘ウイルスに陽性、陰性などとラベルが貼られた試験管=ロイタ

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欧州を中心に天然痘(とう)に似た「サル痘(mpox)」の報告が相次いでいます。患者がふだん出ていなかった国で確認され、感染拡大が懸念されています。2022年7月23日、世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。日本でも感染者が確認されています。現時点でわかっていることをまとめました。新たな情報が明らかになるのにあわせ、随時更新します。

Q これまでの経緯は?

A サル痘はこれまで西アフリカ中央アフリカで患者の報告が多かった感染症だ。

昨年5月7日、英国の保健当局から患者1人が出たとWHOに報告があった。アフリカ西部のナイジェリアに渡航歴があったという。

だがその後、この患者とも関連がなく、アフリカへの渡航歴がない人の間で相次いで感染が確認された。

WHOによると、22年1月~23年1月末までに、英国のほか、米国やオーストラリアなど110カ国で約8万5千人の患者が確認されているという。症例のほとんどが5月13日以降に確認され、入院する人はほとんどいない。

米国では、7月25日以降、感染者が急増。米政府は8月4日に緊急事態を宣言したが、感染者数の減少で1月31日をもって解除した。ただ、2万9千人以上の患者が確認されており、世界で最も多い。

解析できた患者の97%は男性で、女性は3%と報告されている。

WHOによれば、89人が亡くなっている。アフリカや米国、中南米を中心に死者が出ている。

今回は「人から人への感染が拡大している初めてのケース」と専門家も指摘している。

WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にあたるかどうかを検討する委員会を6月23日に開いたが、この時点では緊急事態の宣言は見送られた。

「すれ違っただけでは感染しない」

ただ、多くの人がサル痘ウイルスを含むポックスウイルスへの免疫を持っていないことや、急速に感染者数が増えてきたこともふまえ、7月21日に2回目の委員会が開かれた。

緊急事態を宣言したことについて、WHOのテドロス事務局長は、ふだん患者が報告されていない国で感染する例が相次いでいることなどを挙げ、「新しい感染の伝わり方で世界中に急速に広がったアウトブレークに対し、私たちはほとんど理解できていない」として、宣言を出した理由を説明した。

WHOは10月20日に3回目の委員会、2月9日に4回目の委員会を開き、患者数は減ってきているものの、リスクはまだあるとして緊急事態を継続すると決めた。

Q サル痘とは?

A 1958年、ポリオワクチン製造のために世界各地から霊長類が集められた施設で、サルに天然痘のような症状が出たことから、サル痘という名前がついた。


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